トップ  写真集トップ     函館東高生徒会誌・グラビア集1990年代1
函館東高生徒会誌・グラビア集1980年後半
 函館東高生徒会誌「ひんがし」のグラビアを集めました。
1986.3.10発行、表紙:2−D姥子昇
卒業 ペンネームはありません子
 教室の窓から見える雪景色。背後から、大声ではしゃいだり、さわいだり・・・明るい笑い声・・ざわめき・・・聞こえて来る。受験、合格、入学。もたもたしているうちに、もう三つも年をくってしまった。
 「いいわねえ。一番いい時期よねェ」と言う、中年のおばさんやあまり年も離れていないようなおねえさん、おにいさん方に、ちょと優越感でニコッと微笑む。「うん、若いもん」と自嘲してもいられなくなるのね。このざわめきも聞こえなくなってしまうのね。
 人のいなくなった放課後の教室は、静まりかえって、部活のかけ声が遠く聞こえるだけで、すごくさびしい。でも明日の朝になれば同じようにざわめきの中に居るはずだった。もう明日を持つことなく、それぞれの明日をつかみに行く日が来るのね。
 教室の窓からは空が大きく広がって見える。雲が流れる。まぶしいなあ。今日はいい天気だ。「ひんがし22号」より
青雲祭の思い出 ラリーは楽し
 本祭2日目、渡島地方は暴風に見まわれ職員会議で早々に時間短縮を決定、委員会にそれが報告された。警備主任になっていた自分は、「自転車が倒れまくっている」という仲間の報告を受け、但ちにTシャツ一枚で外に出て自転車起しとサドルふきを行った。仲間と声をかけ合い、必死になって自転車を起す。だが風はそんな自分達をあざ笑うかの様に自転車を倒し続ける。「何故こんな事をやっているのだろう」。考えていけない事を自分が考えた時だった。何と言ってくれたかは覚えていないがある女生徒が自分に傘をさしかけてくれたのだ。自分は礼を言い彼女を見送った。その後、よくわからないうちに涙があふれていた。何故かわからないでも、泣けてきてしまったのである。あの時の女生徒にもう一度礼を言いたい。その涙は東高時代で最高の思い出になると思うからだ。―――「ありがとう」――― 「ひんがし22号」より
写真:「光りの海と一隻の船」2−D中田純一
卒業によせて
 いろいろな出来事が胸にあふれてきます。本当にあっという間の3年間でした。さまざまな思いが去来していきます。対面式の飴の雨に始まって、身も心も燃やした青雲祭、そして予餞会。学校行事がそれだけ楽しいければ、普通の学校生活もそれだけ楽しいと私は考えます。むろん、充実しているとかそういう意味での楽しさのことですが。
 卒業は、新しい出発の第一歩だとよく言われますが、そのためには卒業する前の学校生活が大切だと思うのです。新しい一歩も、それを基盤としてこそ踏み出すことができるのではないでしょうか。私達は“今”を大切にしなければならなかったんです。
 こんなはずじゃなかったって、思っている人も含めているでしょう。でも私は、だからといって高校のときはつまらなかった、と言うつもりはありません。うまくいかないことがあっても、そのときは一生懸命やっていたに違いないんです。これでいいじゃないですか。
 午睡の夢のように、3年間は流れてしまいました。「ひんがし24号」より
予餞会
 今年の予餞会、進行が昨年よりうまくできてよかったです。
 まず、吹奏楽部のドリルは、昨年は失敗したドライアイスが、今回は幕が開くと、ステージ一面に広がっていて、たくさんの歓声が聞こえました。
 2年生の寸劇も、最初は参加するクラスが少なく、心配でしたが、どのクラスもがんばっていました。
 予餞会の最大の注目の的は、やはり青春座ではないでしょうか。昨年出演したある先生は、「自分の姿を鏡で見たら、まるで豚のようだったでえ」。また、今年出演したある先生は、「緊張して、いつもご飯を一膳食べるのが、二膳も食べてしまった」とおっしゃるほど、先生方は大変だっと思いますが、生徒のためと思って、これからもがんばって下さい。 「ひんがし24号」より
青春座:予餞会(よせんかい)のとりに行われる先生方の劇の劇団名。脚本は対馬先生により、今年で第25回公演にあたる。歌あり、踊りあり、笑いあり、涙ありの内容で卒業生は感涙に咽ぶ。ちなみに今年はウェスト・サイド・トスリーでした。1994(平成6)年発行「せいうん30号」ひんがし辞典より
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